神々の山嶺 その2
「神々の山嶺」読み終わりました!
エヴェレストの冬季単独無酸素の南西壁登攀挑戦とそれにまつわる人間模様を描いた、フィクションとノンフィクションを織り交ぜた重厚なストーリー。
私は全然登山の経験無いので知らなかったのですが、同じエヴェレストでも、どこから登るか(多くの一般登山客が使うよく整備されたノーマルルートと、最も難しいと言われる南西壁とでは全く難易度が違う)、いつ登るか(ハイシーズンの春・秋と、極寒で風も強い冬)、酸素の有無(8000mを超えると、どれだけ準備しても高地順応が難しい「死のゾーン」と呼ばれており、通常は酸素ボンベが必須)、誰と登るか(大規模登山隊か、少数精鋭か、一人か)で、まったく難易度が違うそうです。
以下のサイトに、その難しさが現地の写真付きで非常に詳しく説明されています。
エヴェレストは、一般的な登山難易度はK2等に比べてあまり高くないようですが、冬季に、南西壁から、無酸素で、しかも単独で登るというのは、尋常ではない難易度で、人類史上成し遂げた人はいない。これに「山狂い」の登山家羽生が挑み、羽生の人生とエヴェレストへの挑戦をカメラマン深町が追っていく。そんなストーリーです。
圧倒的な人類未踏の地への挑戦って、それだけでなんだかワクワクします。
主要キャラクターの登山家である羽生やそのライバル長谷は、架空の人物ですが実在のモデルがいるようです。
話の肝となっている、イギリス遠征隊のマロリーとアーヴィンがエヴェレスト初登頂を果たしたか、という謎も、登山界で実際にあるミステリー。
マロリーは、(なぜ命をかけてエヴェレストを登るのか、という質問に対して)「そこに山があるから」という日本でもよく知られているセリフを答えた人物です。
ただ、厳密にいうと「Because it's there」と答えており、「そこにエヴェレストがあるから」(itはエヴェレストを指している)というのが正しいニュアンスのようですね。
ついつい登山関係の動画を色々漁って観てしまいました。
「神々の山嶺」も、阿部寛・岡田准一のダブル主演で映画化されているようですが、ネットで検索する限り、映画のほうはあまり評判がよさそうで、観てみるか迷うな~。